家具手加工1級技能士
聞きなれない名前だと思います。
厚生労働省が認定する国家資格であり、技能訓練校などを卒業していなければ、受験資格を得るまでに7年の実務経験が必要です。
実技テストと学科テストがあり、学科テストは木工の知識、手工具、機械など。
昔は講習会があり、参加すればほとんど解答を教えてもらえたそうですが、現在はそうはいきません。
実技テストは、制限時間内に課題である木工品(木枠)を手工具で製作します。
事前に持ち込める道具が指定されており、鑿、鉋、鋸、玄翁、測定道具など。
写真にある4つの仕口(しくち)を手工具だけで作るのですが、木工の機械化が進んだ今、こんな加工をするのは、
江戸指物師や一部の伝統工芸師くらいだと思います。
でも、この加工が必要か必要でないかは関係なく、いざという時、手加工が出来るか出来ないかが重要なんだと思います。
制限時間5時間30分でこの加工をやり遂げるのは、加工精度に加え、スピードが要求されます。
人生で後にも先にもこの加工をしたのは試験のときだけですが、貴重な経験だったと思います。
左下の仕口の丸い穴、私のときはここだけ電気ドリルが使えましたが、少し前まではクリックボールという、手で回すドリルだったそうです。(さすがにこれは誰も使わない)
クリックボール
私が受験したときは、枡添さんが厚生労働大臣だったので、彼の署名の入った合格証が家にあります。