K・J・WORKS 山内の日々あれこれ。

木の話 4 セン(栓)

「セン」という木をご存知でしょうか?

業界では有名でも、知名度は低い木だと思います。

 

非常に木目の美しい木で、個人的には最も好きな木の一つです。

なんともいえない艶をもつ「セン」は、現在欧米の木工家の中でも人気が高まっているそうです。

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K・J・WORKSでも扱っている、旭川、高橋工芸さんのkamiグラスも「セン」です。

 

別名、ハリギリ(針桐)と呼ばれます。

これは、葉っぱが桐に似ていることと、幼木のときに幹に棘がびっしり生えているためです。桐ほどでないにしろ、成長が早いのも特徴です。

また、新芽は、タラの目同様山菜として食用になります。

 

「セン」の木目は非常に綺麗ですが、漆を塗るとケヤキそっくりになり、専門家でも見分け難く、そのせいで、一時は「ニセケヤキ」などと呼ばれていました。

「セン」だって十分実力派の木なのに、偽物扱いはかわいそうですね。

 

僕は、力強い「ケヤキ」より、奥ゆかしい艶のある「セン」のほうが好きだったりします。

 

センは、木工界では、木目が粗く堅いセンを「オニセン」、木目が細かく軟らかいものを「ヌカセン」と呼びます。テーブルの脚に使うなら「オニセン」、お盆の材料なら、木目の綺麗な「ヌカセン」というわけです。

 

木によって、木目の密度に差があるのも「セン」の特徴です。

 

北海道に多く植生しているので、流通している材料は殆ど北海道産ではないでしょうか?

山で、幹に棘が生えていて、葉っぱが天狗のうちわのような木があれば、それはおそらく「セン」だと思います。