鉋のはなし
大工工事に欠かせない道具に鉋があります。
この鉋、現在主流の2枚刃の形で完成されたのは江戸時代。
以外に最近です。
木を削り、仕上げる道具として、非常に合理的で完成されたものであるのは言うまでもないですが、
日本人の美意識を体現したようなものでもあります。
鉋の大きさを表すとき、一寸八分(いっすんはちぶ)、一寸四分(いっすんよんぶ)などと表記します。
職人さんは、「すんぱち」(一寸八分)、「すんし」という風に略して呼びます。
鉋の一寸八分とはどこの寸法を表していると思いますか?
台の幅?刃の大きさ?
実は鉋のどこを測っても一寸八分の部分はありません。
では、なぜ一寸八分と呼ぶのか?
この鉋を完璧な状態にすると一寸八分の削り屑が出ます。
とても日本人らしい感性だと思いませんか?
すなわち、腕の悪い職人だと、その鉋は一寸八分であって一寸八分ではないのです。
・・・奥が深い。
昔から、職人の間で使われる言葉に
「鋸(のこ)は挽き方、鉋(かんな)は造り方」 というのがあります。
鋸を使うには、腕前が大事だが、鉋は仕込みが一番難しい、という意味です。
なかなか、鉋を見る機会も減っていますが、K・J・WORKSの現場ではいつも大活躍しています。