K・J・WORKS 山内の日々あれこれ。

木の話 2 ナラ(楢)

前回のブナが「クイーン・オブ・フォレスト」なのに対し、ナラは「キング・オブ・フォレスト」(森の王)と呼ばれます。

巨木に成長し、木目は美しく変化に富み、木質は重厚。

落葉は森を豊かにし、落実は動物たちを養います。

また、家具材としては、理想の木の一つです。

 

一般に「ドングリ」といえば、ナラやカシ、シイの実をさします。最もポピュラーなドングリの形をしているのが、ミズナラやコナラ。

ミズナラは、こげ茶色の比較的大きな実を成すのに対し、コナラは小粒で、色が明るく、縦に筋が入っています。

 

欧米では、高級家具材としては無論のこと、ウイスキーの熟成樽も同種の木が使われます。ウイスキーの香りや、琥珀色にはナラが大きな役割を担っています。

このウイスキーの樽には、樹齢100年以上のナラ(ホワイトオーク)が使用されますが、近年、国産ナラを使用した、国産ウイスキーが海外で高く評価されています。

ナラ(楢)の漢字と「お酒」、関係があるのでしょうか?

 

材料としては、非常に表情豊かです。

シンプルな木目が現れることもあれば、虎斑(トラフ)、縮み杢、縄杢など、ナラならではの木目が現れます。

K・J・WORKSでは、家具やフローリング、建具などで使用します。

 

私が、人生で最も多く加工してきたのが、このナラ材です。若木で非常に硬いものもあれば、素直な老木もあります。先に述べましたが、なにより非常に表情が豊かなので、加工して飽きません。かっこつけるなら一期一会を感じる材料だと思います。

 

現在、キクイムシが原因のナラ枯れが、問題になっており日本海側を中心に被害が拡がっています。高速道路から山を眺めると、葉っぱの付いたまま、枯れているナラを見かけ、心が痛みます。効果的な対策の発見が望まれます。

 

最後に、ミズナラとコナラ、どちらも緑地などにはたくさん植えられており、葉っぱの形は同じですが、簡単に見分ける方法があります。

枝から直接葉っぱが生えているのがミズナラ、枝と葉っぱの間に「茎」があるのがコナラです。

ぜひ、公園などでドングリを見つけたら、葉っぱにも注目してみてください。