年輪の詰まった木は重い?
木について説明するときに、年輪が細かくゆっくり育った木は、重くて丈夫だと
思っておられる方が多いです。
実はこれは正解であって間違いです。
ざっくりいうと、スギやヒノキなどの針葉樹は年輪が細かい方が重いです。
(これを業界用語で木目が詰んでいると言います)
逆に、ナラやタモ、ケヤキなどの広葉樹は、年輪が荒い方が重いのです。
それはなぜか?
そもそも年輪とは、夏目・冬目(ナツメ・フユメ)というのがあり、
年輪として輪に見える部分が冬目です。
この冬目が、針葉樹は重く、広葉樹は軽いのです。
また、夏目は、針葉樹は軽く、広葉樹は重いです。
なので、木の中で年輪が細かい(冬目の比率が多くなる)と、針葉樹は重くなり
広葉樹は軽くなります。
年輪の密度の違いは、気候や土地の肥沃さ、日当たり、樹齢など要因は様々です。
長く木に触っていると、「このナラは目が詰んでる割に重い」とか、
「このマツは、目が粗い割りに重い」なんて会話が職人の間で交わされたりします。
日本には、四季があり、季節折々の美しさがあります。
実はこの四季が、年輪の美しさを形作っているといえます。
熱帯など季節のない国では、年輪自体が無い木も多く存在するのです。
これからも木の話、時々書いていきます。